自分がアーリーリタイアのことを人に伝えた時、日本人と外国人ではその反応が極端に違いました。
日本人はアーリーリタイアに対して懸念や心配といった反応が多く、一方、外国人は例外なく祝福ばかりでした。
今回、その反応の違いと、背景にある要因を考えてみました。
アーリーリタイアに対する外国人の反応
リタイアする時の職場が欧州だったので、日本人以外の会社関係者にアーリーリタイアのことを話す機会が多くありました。
一般的には、解雇や転職などで会社を辞める場合は、
I am leaving this company..とか
I am stepping away from..といった表現が使われますが、私は完全に会社生活から退くつもりなので、
I am leaving this company for good.. といったFor Good(永遠に)というワードをつけました。
For good???と、本当か?ついにか?というニュアンスで聞き返されることも多く、
Yes, I am retiring early...と意思を伝えます。
すると必ず彼らが使うフレーズが出てきます。
それは、
Congratulations!
おめでとう!
この表現はお祝い事を知った時に使うものです。
例えば「子供がxx大学に行くことになったよ」「マネジャーに昇格しました」「xx資格を取れました」といったシチュエーションなどで、努力や結果に対して賞賛をこめて祝福する言葉です。
「どうやって過ごすのか?」といった質問で追い打ちをかけられ、人によっては自身のリタイア後の計画なども語ってくれます。
どことなく、夢のある明るい話題として、なごやかな時が流れます。
アーリーリタイアの告白に対する日本人の反応
一方、日本人の関係者にアーリーリタイアを伝えると、祝福よりも懸念や反対などをされることが多々ありました。極端な例からですが、まず年老いた母親の場合です。
「会社は辞めちゃいけません。辞めてどうするの?ちゃんと定年まで働きなさい。」といった反応です。
そこまで極端ではなくても割と多かったのは「辞めてどうやって生活していくの?」と生活資金の懸念や「毎日何して過ごすの?」と時間の使い方について疑問です。
最も驚いたのは、高い給与を貰いがっつりと貯めこんでそうな会社関係者が「どうやって生活していくのか?」と、心底、疑問を持っていたことです。
てっきり「お金を稼ぐより時間を大切にしたほうが良い」と賛同されると思ったので、まさか同じサラリーマンなのにどうやってリタイア生活を維持できるかといったことを少し掘って聞かれたことはびっくりでした。
いずれにしても、アーリーリタイアを表明すると、ポジティブにストレートに喜んでくれることより、不安や懸念、疑問の反応が優っていたという事実です。
こうして、外国人とはなごやかな話題となるところが、日本人とはぎくしゃくとした雰囲気の話題になってしまうことも多々ありました。
なぜ日本人はアーリーリタイアを歓迎しないのか
日本では定年まで働いてリタイアすることが一般的で、定年を迎えずに退職するというイレギュラーなことは歓迎しない風潮があります。
その理由として考えられるトップ3を考えてみました。
①日本は定年まで働くことが当たり前という慣習や価値観
終身雇用で生涯を守られた社員が、その代償として会社へ忠誠心を誓い生涯働く、という会社ファーストという古い慣習や価値観があります。
それゆえ、給与はパフォーマンスに対してでなく我慢への報酬として位置づけられて我慢や拘束を強要する文化です。
アーリーリタイアや転職で離職することが、会社との紳士協定を破る裏切者といったプレッシャーがない時代がいつくるのでしょうか?
②働くことが美徳という文化
日本では「体が動くうちは働くべき」と高度成長期のような美徳がまだ残されている気もします。
汗水流して働くことが美徳で、投資で楽に儲けることは邪道といった文化です。
人生半ばにしてアーリーリタイアを計画、準備し、投資や貯蓄をもってリタイア実践している人は、ある意味、その人生前半で後半人生分まで働いたようなものです。
③人生を楽しむ生き方を良しとしない
自分の好きなことをして生きていくことは享楽的な生き方であり、ましては働かずにとは言語道断だ、とする考えもあるのかと思います。
そこには、自分の楽しみを優先することは、自分ファーストであり、社会や周囲に対する配慮や遠慮がないという寛容さのない村社会的なマインドです。
終わりに
日本は素晴らしい国です。
おいしい食事、治安の良さ、伝統に文化。
本当に素晴らしいのですが、アーリーリタイアをすると、そこには日本の改善すべき点が、次から次に遭遇した感じです。
異質に生きること、イレギュラーに生きること、尖って生きること。
こうした個性や多様性がもっと受け入れられるようなればいいなと思いました。
僕もアーリーリタイア生活という1つの事例を作って、世の中が変わっていくことにプラスになればと思った次第です。
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