先週、84歳の誕生日を迎えた母親のお祝いランチをしました。
体力も考え4時間程度の外出です。
まずは都内某所の高層ビルのフランス料理店でカジュアルなランチセットを食べ、その後はイチョウ並木の名所を車で巡りました。
きっと心に残る誕生日になったと思っています。
今日は親孝行について綴りたいと思います。
僕にとっての親孝行とは
僕がアーリーリタイアをしてやりたかった1つは親孝行です。
父が他界した2年前から母は独りっきりで住んでいます。
母にとって私は唯一の息子。その僕は仕事で日本を数年間離れていたので、母には心細い思いをさせていました。
母もコロナ禍で家に引きこもってばかり。この数年で足腰も弱り、物忘れも酷く、そして片側の耳は聴こえにくくなりました。
老いる母をみては、恩返しをして感謝の気持ちを伝えたいと思うようになりました。
世の中では「親孝行をしたい時に親はなし」という言葉があるぐらいです。
自分のやりたいことリスト100に「親孝行をする」という内容も入れ、リタイアしたら旅行や思い出の場所に連れていくなどをやろうと決めていました。
母親の誕生日、親孝行大作戦
誕生日を迎えた母に、アーリーリタイアをした自分がお祝いするのは初めての機会です。
この数日間、母親はめまいがひどく寝たきりでした。ようやく復活したとはいえあまり無理はできません。
そこで「無理のない、気の張らない、この日にしかできない体験」という親孝行のプランを進めました。
自分が何をしたいかより、母親がされたいかです。
料理は、母がスーパーでも買いだせることができ、日常、口にすると思われる中華、お寿司、イタリアン、ステーキを外してフランス料理としました。
場所は、高いところからの眺めが好きなので丸の内界隈の高層ビルのレストランにしました。ときどき「富士山が綺麗に見えた」と喜んだりする母です。
雰囲気は、居心地が悪いとまずいと思い、フォーマルすぎない点も考慮しました。
思い出に残るよう、今しか体験できない、都内で旬となる紅葉をみることにしました。
母はお花が好きなので、ちょうど今が綺麗となるイチョウ並木を車で巡ることにしました。
母親の笑顔と言葉
食事をスタートしたときは「今日はあまり食べないから」とは言ってましたが、出てくる料理を「美味しい。美味しい。」と食べてくれました。
母の料理皿に入っていた野菜を私に取り分けてくれました。
母と食事すると頻繁に「あなたはお肉ばかり食べて野菜が不足しているのだからもっと食べなさい」と野菜を食べさせられます。
実は僕は健康おたくな方で、野菜もかなり食べています。と、何度も母には伝えているのですがいつまでたっても「野菜を食べない(お肉が好きな)息子」と思われたままです。
これまでは「野菜はしっかり食べてるから大丈夫だよ」と母に言って安心をさせようとしてきました。
でも今回は、あえて母の誤解を訂正せずに喜んで野菜を食べました。
母がそう思っているのなら、それに従うほうが親孝行かな、という感覚です。
きっとアーリーリタイアをして自分の心境も変わったのでしょう。
駐車場を出ると皇居から東京駅が見渡せるイチョウ並木があります。
車から降りて母親と黄金色に輝くイチョウの木々の下を一緒に歩きました。
今年も太陽を沢山浴びたぞ!と言わんばかりの葉っぱが、無機質なビル群とのコントラストで美しい景色でした。
ウエディングドレスを着たカップルが橋のアーチに寄っかかり、その姿をプロのカメラマンが撮影しています。
都会の喧騒を打ち消すかのようなシャッター音が、幸せの瞬間を写し撮っていきます。
母にもあんなに幸せなる若いころがあったのかな?と母の方を振り返ると、幸せそうな表情で「こんなに綺麗な景色が都内にあるのね」と、高いイチョウを見あげて言いました。
終わりに
わずか4~5時間のことですが、この秋の日の誕生日にみた景色は母親の心にしっかり刻まれたと思うひとときでした。
いつまでたっても、息子は息子でしかないし、そういう扱いをする母親は、いつまでも変わらない母親で、どこかほっとした自分があります。
果たして自分が歳を取っただけなのか、アーリーリタイアをしたことで自分の感性が変わったのか。
思い立ったが吉日。
親孝行をしたら新たな発見があるかもしれませんよ!
0 件のコメント:
コメントを投稿