アーリーリタイアは人生で大きな決断となります。
アーリーリタイアを不安なく決断実行するには、セカンドライフで経済的に破綻しないという確信を得ることが必要です。
僕が56歳のときに実施したセカンドライフの収支シュミレーションと、資産運用の戦略をいかに変更したかをお話します。
セカンドライフの費用
リタイア後の生活が経済的に破綻をしないためにも、セカンドライフにかかる生活費をしっかり算定することが大事です。
僕の場合は、
・セカンドライフではいまの生活レベルを落とさない
・自由な時間が増えるなか、現役時代以上に生活費がかかると想定する
ということで検討しました。
現役時代の生活費を参考に、セカンドライフは自由になる時間がより多いので、旅行やグルメ、スポーツ、カメラ、人づきあいなど、これまで以上にお金がかかると想定しました。
一方で、健康年齢は80歳とし、生活費にかかる費用も80歳までは多めに、その後は漸減する想定としました。
また、セカンドライフのシュミレーションの年数は、100歳まで生きるものとして算出しました。
セカンドライフの収入
完全リタイアをするので給与収入がゼロとなります。セカンドライフの収入は資産所得が中心となります。完全リタイアをするので給与収入がゼロとなります。セカンドライフの収入は資産所得が中心となります。
概ね、
①個人年金、②公的年金、③企業年金、④不動産収入、⑤確定拠出年金、⑥株式譲渡・利子配当益、⑦雑所得、が私の収入となります。その開始タイミングは異なるので、きちんと経過年ごとの収入と、想定される税額についても算定しました。
既に50代を迎えていたり、リタイアにより会社から試算書を貰った人は、より手堅い数字をもとにライフプランのシュミレーションができると思います。
収支シュミレーションの負荷とアプローチ
セカンドライフの収入と支出を極端に悲観的にシュミレーションすると、安全圏まで貯蓄を増やすことにこだわり、いつまでたってもリタイアできません。
かといって楽観的に試算すると、リタイア後に地獄をみます。
そこで、セカンドライフを生きていくうえで「譲れるもの」と「譲れないもの」をはっきりさせ、最低限死守したい下限(死守するレベル)と、セカンドライフの上限(理想とするレベル)の両端を定め、その振れ幅のなかで生活していけるかを検討し、現実性のある実現可能な計画を立てることが大事となります。
蛇足ですが、セカンドライフに限らず、現役中の生活においても、稼ぎが減ったときにその減少分に応じて生活を変えられるか否かの柔軟性も参考にすべきです。
セカンドライフの想定外リスク(不可抗力)
いくら想像力を豊かに今後の人生をシュミレーションしても、現実には事故や天災、未曾有のインフレや年金破綻など、不可抗力によって資産を失ったり、想定される収入を得られないことも起こりえます。
不可抗力の場合は、完全リタイアをしていても、パートタイムなり自分のスキルを活かして少し働くことをやむなしとしました。
僕の場合は、趣味と実益を兼ねて、翻訳であったり資格を使った仕事なりで稼げばよいと腹をくくることができました。写真撮影も好きなのでドローンの資格も考えています。
もちろん、円満に会社を退社したり、会社関係のネットワークを大事にするなど、万が一の時は仕事上の相談ができるようにもしてきました。
いずれにしても、お金を稼ぐ能力は現役時代もリタイア後も持っておくべきですし、いざのときに頼れるような場を作っていくことも安心材料としては大きいかと思います。
資産運用のポジション変更
セカンドライフの人生設計と収支シュミレーションを実施した結果、資産運用の戦略を最適な方法に見直すこともできました。
僕の場合、収入については、年金系の①、②、③については大きくブレはありません。そして④不動産も、地政学的な変化もなさそうで、ブレは少ないと想定しています。やや流動的なのは金融投資系の⑤、⑥、⑦です。
そこで投資戦略も少し変えました。
セカンドライフで必要なコストは算定できたので、手堅い年金系と不動産系の収入をベースに、不足する金額を金融投資から稼ぐ(過度なリスクのある投資を控える)ようにしました。
また、最近の円安メリットを使って金は高値のうちに売却したり、国際分散で外貨も保有していたので、その一部を円転させるなど、セカンドライフの基軸通貨となる日本円を現金ポジションで持つ比率を高め、外貨部分の不確実性を少し減らしました。
それでもまだ海外移住など、ドルを基軸とする国へ旅行や生活でお世話になるかもしれまいので、ドルとポンドの安定運用は続けています。
終わりに
以上、アーリーリタイアをきっかけに、収支シュミレーションから資産運用戦略の見直しまで根底から検討しました。最適解は個々で違うと思いますが、1つの参考となるよう、紹介させていただきました。
いずれにしても、シュミレーションは多面的に時間をかけて検討することをお勧めします。なにしろ人生設計そのものですから。