概ね、FIREを達成した人は満足しているし、幸福そうに見えます。
少なくとも、FIREしたこと自体を後悔している人は多くはありません。
ただ、最近よく考えるのは、その満足や幸福が、「どこから生まれているのか、そして何によって維持されているのか」は、人によってかなり違うという点です。
僕の場合、「自由になった時間を使って何か行動することで満足したい」というタイプです。一方で、「自由な状態が続いていること自体」に安心や満足を感じる人もいます。
この違いはどこから来るのか。
今日はその答えとして、FIREという1つのテンプレの裏側にある「4つのスタイル」について綴ります。
FIREは同じでも、背負ってきたものは違う
FIREは「経済的自立を達成し、早期リタイアする」という点では一つのテンプレです。
ですが、そこに至るまでの動機や環境、抑えてきた感情は人によってまったく違います。
多くの人は、時間をかけ、努力や我慢を重ねてFIを達成し、そのうえでREを選びます。
つまりFIRE生活には、少なからず反動が生まれやすいといえます。これは特別なことではなく、むしろ自然な現象です。
FIREを分ける2つの軸
この違いを整理するために、僕は次の2軸で考えるのが有効だと感じています。
横軸:FIREの主動機
-
左:回避型(逃げ・脱出・防衛)
-
右:獲得型(拡張・実験・選択権)
これは心理学でいう「回避動機/接近動機」に近いものです。
縦軸:FIRE前の自己同一性の源泉
(自己同一性とは、「自分は何者か」、「自分の価値はどこから来ているか」という感覚の拠り所です)
-
上:仕事依存(役割・評価・肩書)
-
下:仕事外依存(家族・趣味・思想)
この縦軸は、FIRE後の「空白耐性」を大きく左右します。
4つのFIREタイプ
この2軸を掛け合わせると、FIREは大きく4つのタイプに分かれます。
-
防衛離脱型(回避×仕事依存)
仕事から逃げることでFIREしたが、役割喪失の反動が出やすい。 -
安定自立型(回避×仕事外依存)
生活防衛としてFIREし、比較的穏やかに適応する。 -
拡張挑戦型(獲得×仕事依存)
自由を使って次の挑戦を求めるが、予定が空くと落ち着かなくなる。 -
探求享受型(獲得×仕事外依存)
自由そのものを味わい、静的な満足を得やすい。
重要なのは、どれが正しいかではなく、自分がどこに立っているかを知ることです。
終わりに
FIRE生活は、思っている以上に「自分が何を拠り所に生きてきたか」を露わにします。
だからFIREを幸福に過ごすために大事なのは、テンプレをなぞることではなく、自分がどのFIREスタイルからここに来たのかを理解することだと、僕は思います。
回避から来たFIREなのか、獲得を求めたFIREなのか。仕事に自己同一性を預けてきたのか、それとも仕事外に軸があったのか。
FIREによって得た時間や余白は、こうした経緯や動機と向き合うためのものでもあります。
つまり、FIREをして幸福だと実感する人が多い理由は、FIREそのものよりも、この自己理解のプロセスを通過できることにあるのだと感じています。
ランキングも参加してます。参考になる部分がありましたら、ぜひポチっとしていただけると励みになります。

