アーリーリタイア生活を送るなかで、僕はいま「2つのインフレ」と向き合っています。
一つは、誰にとっても避けられない物価上昇というインフレ。もう一つは、FIRE後に静かに進みやすいライフスタイルインフレです。
FIRE後に支出が増えること自体は珍しくありません。問題は、それが「戻れない構造」になっていないかどうかだと、僕は考えています。
今日は、この2つのインフレを整理しながら、いま自分が置かれている状況を淡々と分析してみます。
外的インフレ:物価上昇
物価上昇は、個人の努力では防げない外的インフレです。
無職リタイア民は、給与所得がインフレ調整される立場ではないので「どう耐えるか」をあらかじめ設計しておく必要があります。
僕が行っているのは、次のようなごく基本的な対処です。
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収支シミュレーションにインフレ率を織り込む
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インフレ耐性を意識した資産配分への調整
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最悪ケースでも生活が成立するボトムラインの把握
インフレを恐れるというより、「起きる前提でリスクを織り込んでおく」を可視化する作業です。
外的リスクは消せませんが、対処できる形にはしています。
内的インフレ:ライフスタイルインフレ
もう1つが、FIRE後に顕在化しやすいライフスタイルインフレです。
僕の場合、基礎生活費(住居・食費・通信費など)は会社員時代とほぼ横ばいです。
一方で、旅費や趣味、人との交流といったゆとり費は増え、全体の支出はおよそ2割ほど増加しています。
一見すると「生活レベルを上げている」ようにも見えますが、ここは慎重に見ています。なぜなら、一般に危険とされる生活水準逓増には、次の特徴があるからです。
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固定費が恒常的に上がる
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日常の基準値が引き上がる
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元に戻すと「我慢」になる
僕が警戒しているのは、まさにこの構造です。
支出構造は「戻れる構造」にしている
現在増えている支出は、アーリーリタイア期に意識的に配分している可変費です。
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固定費は低く安定したまま
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支出は体力・興味・時期に応じて増減
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やめれば自然に元の生活に戻る設計
例えば旅行や趣味も、「永続させる前提」ではなく、健康年齢の前半期までと時間軸を切っています。
そのため、いわゆるラチェット効果・・1度上げた生活水準を下げられない状態にはなりにくいと判断しています。
「暮らすように旅行する」は嗜好消費である
今後、2拠点生活や「暮らすように旅行する」期間は増えると思います。
ただしこれは、他人との比較や承認を目的とした地位消費ではありません。
体験や感覚、気づきを得るための嗜好消費であり、
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日常に組み込まない
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見せる前提がない
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体力が落ちれば自然にフェードアウトする
という性質を持っています。
「一度味わうと戻れない贅沢」ではなく、「今だからできる期間限定のプロジェクト」に近い感覚です。
FIREの安全設計からの批評
構造として整理すると、今の生活は次の形です。
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固定費:低く、安定
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可変費:高めだが調整可能
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趣味支出:期間限定
支出増加や資産の取り崩しは常にトラッキングしており、構造的に「気づいたら大きく減っていた」状態にはなりにくいと考えています。
また、65歳以降の年金受給開始で収支が黒字化するという出口も見据えています。
市況が悪化すれば、まず可変部分を絞る。そうした減速ルートを最初から用意している点が、安心材料です。
終わりに
インフレには、物価上昇という外的なものと、ライフスタイル変化という内的なものがあります。
重要なのは支出額そのものではなく、「やめたときに自然に戻れる構造かどうか」だと、僕は考えています。
FIRE後の生活は完成形ではなく、今も調整途中です。
この支出構造が本当に機能しているかを確認しながら、必要に応じて手を入れていく段階にいます。
もしFIRE後の支出増に不安を感じている方がいるなら「それが固定化されたものか、調整可能なものか」を一度分けて見てみると、見え方が変わるかもしれません。
支出が増えていても、やめれば自然に戻れる設計であれば、それは必ずしも危険なライフスタイルインフレではありません。
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