今日はこの記事(金融資産があっても住民税非課税の恩恵を受ける)を読んで感じたことを綴ります。
金融資産1億円超、年収1,000万円…悠々自適な60歳元会社員のもとへ、市役所から「物価高騰緊急支援金・10万円」が届く理由【CFPが解説】
出典は資産形成ゴールドオンラインです。
大手総合商社を55歳で早期退職した山本さん(仮名/60歳)が物価高騰緊急支援金として10万円を受領したというものです。
現役時代は多忙で趣味や物欲での消費も少なく退職時は1億円を超える金融資産となりました。
早期退職後は個人事業主として週2〜3日働く収入と、配当金や債券からの利金、企業年金などで額面で1,000万円程度の年収です。
それを小規模企業共済、iDeCo、国民年金基金での控除や、住宅ローン税額控除で総合課税ベースの所得税と住民税はゼロ(住民税非課税世帯)となり物価高騰支援金の10万円を受領しました。
低所得者向け支援策に資産保有者が入る是非
支援金10万円は物価高で生活が苦しい低所得者向けの支援策です。
それゆえ論点は「資産があるのに(この方はさらに収入もあるのに)支援策の該当者として恩恵を受けることが相応しいのか」という点です。
僕を含めFIREした方の少なからずが住民税非課税の恩恵を受けているので他人事ではありません。
個人的見解
この点についての僕自身の基本的な意見は、
・国の制度運用として支給された(不正受給でもない)ゆえ受給者がとやかく言われる問題ではない
→問題があるとしたら制度の有効性や運用方法、政治家の人気取り目的での「ばらまき」にある
と思っています。
制度を設計運用する責任は国にあるので、仮に問題があるならをれを正すのも国の責任だと思うからです。
個人資産を多く有することの論点
とはいえ感情的に「個人資産が多い人が低所得者向けの施策の恩恵を受けるのはけしからん」といった論点が出ます。
確かに不完全な制度ゆえモヤっとする気持ちはわかる一方で、僕が思うのは、
・でもそんな資産があるのは運ではなく努力の賜物。
・努力とは人が贅沢している横で自分はせっせと節約し、仕事をして、長年かけて貯めてきた頑張りだとは思っています。
・ましては僕は運悪くバブル後期の「24時間働けますか」という(今基準では超ブラックな)長時間労働で得た残業代も入ってるわけで・・・
・さらに節約生活の僅かな手残りを投資リスクに晒して、精神的に耐えながら少しずつ増やした(お金が勝手に増えたのではない)、
といった結果、そこにあるのが個人資産です。
確かに運が良い面もあると自分で言ってますが、それは努力とリスクを取った本人だから言えることで、他の人に「運が良いからだ」とは言われると残念な気持ちになります。
これは僕に限らず、その人なりの努力で貯めたお金ならそんな言われようは嫌ですよね。
なので築いた資産は(僕に限らず)後ろめたさを感じる必要はないと思っています。
税金は納めていないと言わないで
というか、資産を作る過程でかなりの税金を納めています。
給与収入の所得税、更には不動産所得も合算された総合課税で税率もさらにアップします。分離課税として株式投資の譲渡益や配当金も払ってきました。
資産構築額の大きさは「それまでに支払った税金」と比例します。
また、税引後の「残金」を種銭にして再投資をして資産を増やしていくわけです。
そんな多重に課税されながら増やす「納税ラットレース」にあえて乗ってきたわけです。
その手残りが「資産」です。
たまたま、より多くより早く資産ができ、早期リタイアをして無職になったわけです。
そんな人生の休息なる「無給期間」まで追いかけて「オマエ税金払え!恩恵受けるな」は行き過ぎだと感じます。
実際、僕が住民税非課税に該当する期間は人生で5%程度(まさに今の数年)でしかないのですけどね・・。
比例負担で良いじゃないか
それに納税額は国や地方レベルでまとめられ、国民全体が受益者となる社会サービスとして公平に提供されるわけです。
累進課税や資産形成で税負担が大きい人も、平均給与以下で税負担が少ない人も、受ける社会サービスは同じです。
だからといって「人より税負担が多いのにこんなサービスじゃイヤだ」なんてことはありえませんし、それぞれが所得に応じて可能な負担をすれば良いと思います。
そして生活の苦しいシングルマザー世帯、病気で働けない人、社会福祉が必要な人などに有効活用されるならそれで良いと思っています。
さらに資産を使って納税してます
さらに資産はリタイア後の今が現役時代より積極的に消費しています。
貯め込む時代から使う時代に変わった今の人生ステージは、自分のためにも社会のためにも消費や投資で経済活性化の一助にもなるのも大事です。
日々、消費税も払えば、自動車税、固定資産税、住民税、酒税だって払っています。
株式投資に回して企業を通じた社会インフラやサービスの整備、新たな雇用の源泉になっています。
生きているうちに使わず残ってしまった資産はいずれ「相続税」で取られるわけです。
どこまでも「納税」という魔の手が伸びてきますしそれを覚悟しています。
なのでリタイア後は意味あることにお金を使えば良いのだと思っています。
終わりに
というのが住民税非課税というミクロな話しの周辺にあるビックピクチャーだと思っています。
いまの無職期間(人生において一時的に収入のないこの期間)ぐらいは放っておいてほしいですし、どちらにしろ魔の手は届く(消費で納税するか残金が相続税で召される)ので納税は避けらないこともわかっています。
そもそも論であり本質は「国は税金を取り過ぎ」なわけです。
取り過ぎたお金をばらまいて「人気者になろう」なんて構造を抜本的に改めるべきです。
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