男女の奢り奢られ論争から考えた「人の為にお金を使う」

2023-09-21

経済的自由・FIRE

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FIRE生活では「お金を増やす」から「お金を有効に使う」に重点を移しています。

お金を使う“王道”は「経験に使え」とか「他者に使え」だと世間では言われています。

そして僕も、最近はその通りだと痛感します。

ただ、お金を使うことは、お金を増やすのと同じぐらい奥深く難しいです。

今日はその奥深さを「男女の奢り奢られ論争」との関連で綴ります。

奢り奢られ論争とは

世の中には「デート代は男が出すべきだ」とか「デート代は男女関係なく割り勘が正しい」とか「女性だからと一方的に奢られるのはイヤだ」とか、さまざまな奢り関連の主張があります。

いわゆる「奢り奢られ論争」です。

この論争が決着しないのは、そもそも万人共通の「正しい回答」なんてないところを、なぜか、その回答を求め決着させようとするからです。

なにしろこの論争の本質は「考え方のすれ違い」です。

「男性側の奢る姿勢」と「女性の期待する姿勢」のスタンスの違いからくるすれ違いです。

まずその点をみてみます。

注)なお男女入れ替えし、「男性側の奢る姿勢」だけでなく「女性側の奢る姿勢」という軸もあり得ますがここでは省いてます。

奢り奢られのマッチ・アンマッチ

「男性の奢る姿勢」は大きく3つに分けられます。

①奢り派:相手に関わらず無条件で全額奢る男性

②状況次第派:デート相手や状況で女性に一部負担してもらう男性

③割り勘派:相手に関わらず無条件で割り勘(*)にする男性

*割り勘=自分の食べた分は自分が負担する

同様に「女性の期待する姿勢」も3つあります。

①奢られ派:無条件で全額奢って欲しい女性

②状況次第派:デート相手や状況で男性に多く負担して欲しい女性

割り勘派:相手に関わらず無条件で割り勘にしたい女性

そしてこの組み合わせで最も大きなマッチ・アンマッチが起こるのは、

・女性の奢られ派(①)は男性奢り派(①)とは完全マッチしますが、男性割り勘派(③)とはアンマッチ

・女性の割り勘派(③)は男性割り勘派(③)とは完全マッチしますが、男性奢り派(①)はアンマッチ

*男女入れ替えて表現してもいいのですが、簡素化するために、このままいきます。

「人の為にお金を使う」のポイント

「人の為にお金を使う」というのは、この奢り奢られ論争に当てはめると「男性の奢り派(①)のスタンスをどう取っていくか」と似ている点があります。

男性の奢り派(①)が、相性が悪いとされる「女性割り勘派(③)」から良く思われないことがある通り、たとえ「人の為にお金を使う」ことであっても気を付けないといけない点があります。

で、「女性割り勘派からみた男性の奢り派を快く思わないマイナスポイント」を冷静に捉えて、そこからお金の正しい使い方を考えてみました。

女性割り勘派から見た男性奢り派への不満や不信

大きくは、以下が「男性奢り派の考え」と、それに対する女性割り勘派の受け止め方(→で記載)です。

・男だから奢るべきだ

→そのジェンダー思想がキモい。男女平等です。

・奢ることで好意を示したい

→好意の押し売り。好意の見返りを求められるのがキモい。

・自分の方が稼ぎがあるから奢る

→稼ぎがあるという上から目線がキモい。

・奢る方がスマートだから

→「スマートな男性を演出しています感」が逆にキモい。

以上のように、「ものごとの見かた」は人の価値観によって大きく異なります。

どっちが正しいといった絶対的な「正義」や「正解」はなく、あくまで自分が何を大切にしたいかといった「価値観の軸」が違うだけで残念に映ってしまうものです。

特に残念な行き違いと思うことは、男性奢り派が「よかれ」と思っていることも、女性割り勘派からすると「キモい」となることも十分にあり得るということです。

もちろん、男性奢り派が善意ではなく、奢ることに個人的な利害を求めていることもあります。

利害とは、xxしてほしい(要求)、相互関係で優位に立ちたい(支配)、奢れる自分をすごいと褒めてほしい(承認)などです。

行き違いからわかること

こうした行き違いからわかる通り、「人の為にお金を使う」というのも、一見、素晴らしいように見える行為ですが、とても複雑で、受け手側の捉え方によってはマイナスポイントとなります。

この奢り奢られ論争では、男女関係での好き嫌いという繊細さが絡むので論争としてクローズアップされがちですが、本質的に「お金を使う」とは同じ課題があると思います。

課題であり、学ぶべき点は、

・お金を使う側が勝手な価値観を押し付けてはいけない

・お金を使われる側も「使う側」の意図を理解せずして勝手に価値観を主張するのもいけない

という、お互い様(軸を持ちお互いに認め思いやる)の部分です。

そこには相互に尊重や信頼があることが望ましく、たとえ欠けていても(尊重や信頼を作る真っ只中であっても)、きちんと配慮し思いやることをすれば前進すると思います。

「人のためにお金を有効に使う」の実践にあたって

少し実践的に言えば、僕がリタイア生活で「人のためにお金を有効活用する」のは、大きく「寄付」とお世話になった感謝を含め「大事な人への思い」です。

寄付

寄付は比較的簡単です。

災害、貧困、弱者救済などいろいろな寄付があって、自分が共感したり助けたいと思うような対象に実施していけば良いだけです。

例えば、ゆかりのある土地が災害に見舞われたり、コロナ禍では医療現場で働く人をサポートするNPOであったり、あるいは犬猫などの動物関連や貧困など救済で寄付をしたことがあります。

そうした「自然から驚異」や「社会の歪み」など、時に不可抗力なものごとに、社会の一部として手を差し伸べることで、自分自身、その社会の一部になっている(役立っている)という感覚を得ることができます。

お世話になった人への感謝

一方で、難しいのがお世話になった人への感謝なり大切な人にお金を使うことです。

先の奢り奢られ論争と同じことが起こりえます。

大事にすべきスタンスは、前述の通り

・お金を使う側が勝手な価値観を押し付けてはいけない

・お金を使われる側も「使う側」の意図を理解せずして勝手に価値観を主張するのもいけない

です。

事例-ハワイ旅行

先般、親孝行のためにハワイ旅行を企画しました。

ハワイ旅行は僕からのプレゼントとして母親に対する感謝の気持ちで実施したものです。

母親の人生最後の海外旅行ですし、思い出となるよう、お金をきにせず使いました。

プライスレスな体験になる機会だと思ったからです。

ただ、ひとたび母親の立場に立つと、

・質素な生活をする母親にとっては、僕がFIREをしたことで「無職になって大変だ」「そんな大変なのにお金を(私に)使っちゃだめだ」といった考えが根底にある、

・それゆえあまりにも贅沢旅行にすると「子供に負担をかけた」と、かえって母親の心労になる可能性がある、

というような問題です。

僕が勝手に「恩返しをしたいから」という自分の気持ちを優先してばかりで母親の心境をまるで推し量らないと、それはそれで「良い思い出」とはなりません。

・お金を使う側が勝手な価値観を押し付けてはいけない

に反することになります。

かといって年老いた母親に「FIREはお金に困らない生活だ」と幾ら説明してもまるで理解できません。

つまり、

・お金を使われる側も「使う側」の意図を理解せずして勝手に価値観を主張するのもいけない

と母親に言ったところで、それを理解されると期待することも難しい状況です。

それゆえ、こっちの価値観や現状を理解してもらおうとすることすら無意味であり相手には重荷です。

こんな全体感のなかで、いかに母親に心労をかけず、でも恩返しとしての旅行を堪能してもらうかが、僕にとって「有効なお金の使い方」の課題でした。

お金を使うということは、決して、一方的で、単純で、画一的で、普遍的ではありません。

個別の案件ごとに、綺麗な使い方、正しい使い方、効果的な使い方、があるのだと感じました。

ちなみに旅行の概要はこちらです。

【FIREと親孝行】ハワイ旅行の総額と体験価値について

終わりに

なんとも「奢り奢られ論争」なる経験がこんな形でFIRE後の「お金の使い方」に役立つとは思いもしませんでした。

ちなみに僕の場合、正誤や優劣は別にして以前は「奢り派」でした。

奢り派経験を積んだなかで困った経験もありました。

それは「奢られるのが当たり前な人」、「奢られる金額が自分の価値だと思う人」、「人のお金だからと抵抗なく使おうとする人」について、やりにくいところ、思うところはありました。

思うところとは「そんなスタンスがダメだ」というダメだしではなくて、僕の価値観として、奢ることが目的ではなく、「相手に感謝や嬉しい気持ちで元気になってほしい」とか「感謝の気持ちを伝えたい(受け取って欲しい)」がゴールです。

そんな自分の目的やゴールを理解すると、やはり「奢って」という打算態度だと萎えますし、逆に、相互信頼や体験を共有したいという気持ちも高い大切な相手にはお金を使うことに躊躇しない、といった「限定奢り派(?)」なのかもしれません。

お金を使ううえでも、自分と相手の価値観に即した形で最善のお金の使い方をすることができて、ようやく一人前となるのかと思いました。

主人公はお金ではなく「人」だということを忘れてはダメなのですね。

*奢りスタンスがどうこう、言いたいわけではないのであしからず!


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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