若年FIRE民ほど過小評価する「最強のFIRE資金」とは?

2023-06-06

経済的自由・FIRE 資産形成・資産運用

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FIRE界隈の特に若年層の方が過小評価しがちなFIRE資金があります。

それは「公的年金」です。

確かに、「受給が60歳以降」というものでは、若い人からすると「すぐにあてにできないお金」と過小評価するのも理解できます。

そんな「先の話」である公的年金は、年齢を重ねるごとに、個人的にも、すごいFIRE資金だと認めざるを得ません。

そんな利点を知らずに過ごし、後になって「こんなすごいものだったのか」と気が付いても、手遅れとなるものもあります。

今日は、そんな公的年金について綴ることで、それを意識に留め、注意を払っていくキッカケにつながればと思っています。

長生きリスクが過小評価されているから

FIREを目指す皆さまに「リスクは何ですか?」と質問させて下さい。

おおかた「価格変動、為替変動、金利変動」などの投資のリスクを指摘されるのではないでしょうか?

それらは個々の金融商品への投資に付随するリスクで、商品単位の問題です。

それを掘り下げると「FIREを維持継続する」という本質に辿りつき、よって最大のリスクは「長生きリスク」だという結論に至ります。

長生きリスクが作り出す経済的問題は、長生きをすればするほど、生活費を払い続け、それに加えて医療費や介護費などもかさむ、というものです。

それは解約できない、いつまで続くかわからない、リスクでもあります。

こうした長生きリスクに最も対処できるのが「公的年金」です。

それゆえ、公的年金は終身年金であり、自分の命が続く限り受給資格のある収入として価値があるのです。


公的年金の経済的メリット

仮に年間160万円の年金を貰うとなったら、それは幾らの資金を4%ルールで運用するのと同じであるかを換算します。

すると、

160万円÷0.04=4,000万円

つまり、FIREの資産運用額換算で 4,000万円 を持って4%で運用しているのと同じとなります。

*平均年収500万円で約30年の厚生年金加入期間で届く金額なので、試算としては、大きめの数値を使っています。

申し上げたい点は、若くしてFIREをすればするほど、公的年金の給付額は少なくなるので、そのバランスを踏まえて、いつがリタイアに良いかを考えることも大事だという点です。

国民年金部分の回収率の高さ

また、国民年金は実際に掛金に対して10年で回収することが可能です。

試算時点では、

・納付額(月額)は16,590円

・20~60歳までの40年間の総納付額は、16,590円×12ヶ月×40年=7,963,200円

・65歳から受取年金額(2022年度の国民年金支給額)は77万7800円

・回収年月は、7,963,200円÷777,800円≒10.24年(123か月)

実際に終身となるので、その後はずっと利益となります。

最終利益(利回り)は生きた年数に比例して高くなり、長生きリスクを凌駕し続ける「終身」という凄さです。

細かくはこちらの記事を参考にどうぞ。

年金の損益計算-早期リタイアで減少した年金、何歳で回収か試算した

セーフティネットとしての年金

少し視点をかえて、日本における資産の取り扱いについても、公的年金が有利であることをあげます。

それは、自己破産においても、この年金が差し押さえられる対象とはならないということです。

公的年金は「差押禁止財産」であり、自分の借金を返済できず、裁判所から財産の差し押さえを受けても、原則(*)差押えの対象にはなりません。

*年金を担保にした借入、また税金や保険料などは自己破産をしても支払い義務があります。

この点も以下の記事に記載しています。

自己破産の処理でも没収されない究極の資金源で不労所得とは

終わりに

以上の通り、年金という実感のない若年層ほど、FIREの話題のなかで公的年金に触れることが少なく見受けられ、今回、記事にしました。

「長生きなんかするつもりない」と20代で言うのと、実際に僕のように50代になって感じることは、大きく違います。

「どうせ年金はもらえない、払い損だ』という見解を持っている方も、本当でしょうか?

どういった前提を置くのも個人の意思ですし、結果に責任を負うのも自分である以上、人の意見ではなく、きちんと調べ尽くして自分の意見として納得感を持つのが、何より大事ですね。


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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