あなたにとってFIRE達成というのは、
①目的か? それとも ②目標か? あるいは ③単なる手段か?
のどれでしょうか?
この質問は
・FIRE達成後に目指すものがはっきりしているか
・FIREが自分の人生においてどういった役割を果たすのか
といったことがわかってきます。
もちろんFIREが「目的より目標、目標より手段」という位置づけだと望ましいですし、それだけFIREの目的や本質を掘り下げていることになります。
でも、なぜFIRE?って答え(FIREの目的)をはっきりするのは本当に難しいことです。
僕もいまだに「目的」って何か、言語化してもまた修正をしてはと、ぐるぐる巡っている感じです。
大事なことは目的を明確化する習慣を絶やさないことです。
そのためにも「目的、目標、手段」という意味、相互の関係も理解し、自分のFIREの目的や人生観を言語化できるよう向き合っていければ良いのだと思います。
FIREは目的にはならない
FIREが目的だと思っている人も、実際はFIREは目的でないはずです。
おそらく自分でも気が付いていない意図や狙い、目的があるはずです。
たとえ雑誌やテレビでFIREが取り上げられているのをみて「これはやってみたい!」と飛びついた人であっても、その裏にはFIREをしたいと思った何らかの動機があるはずです。
それを見つけることって、簡単なことではありません。
「自分の目的は何か?」と探っていく必要があります。
自由な生活、仕事をしない生活も目的ではない
FIREで達成したいこと(目的)は、例えばよく言われるのが、
・「仕事をしない生活を送りたい」
・「自由な生活を手に入れたい」
といったことです。
もちろん、これらを目的と呼ぶのも危険です。
本来の目的はもっと別のところにあるはずで、もう少し掘り下げないといけません。
FIREの目的とは
例えば、「仕事をしない生活を送りたい」ということであれば、
・「会社という場(人間関係)が嫌だ」
・「パワハラ上司に耐えられない」
・「仕事が合わない」
といった「会社の環境から離れること」が本当に目的かもしれません。
あるいは、「自由な生活を手に入れたい」というのも
・「世界を旅してまわりたい」
・「田舎でのんびり自給自足生活をしたい」
といった自由な時間の過ごし方を抱いているかもしれません。
そうした「会社を辞める」とか「自由を得る」というのは、目的というより目標で、FIREはそれを実現する1つの方法(手段)でしかありません。
「自由を得る」という目標の先に何の目的があるかが大事です。
「目的、目標、手段」を混乱なく理解するも大事です。
目的、目標、手段とは
目的とは、最終的に成し遂げたいこと、長期的に実現したいことです。
目標とは、その目的を達成するために具体的にやるべきこと、目的の達成を具体的に感じられる方法です。
手段とは、その目標を達成するための具体的な実行手段です。
目的のために目標が、目標のために手段がある、という関係です。
ところが時に、これが入れ違って混乱することが起こります。
目的を見失うことです。
目的を見失う問題
わかりやすい例は、「健康になる」という目的でダイエットをしていたのに、ダイエット自体が目的化してしまい、栄養不足などで健康を害するといったことです。
あるいは「家族を幸せにする」という目的で仕事を頑張っていたはずが、いつのまにか家族の幸せを顧みずに仕事にどっぷり浸ることです。
FIREに当てはめると、「自由」という目的でFIREをしたのに、日々の資産運用に手間がかかったり、評価額で一喜一憂したり、時間的にも精神的にも「自由がない」という状態です。
本来の目的を見失っているからです。
目的を見失わないために目標を明確化する
目的を見失わないためには、具体的な「目標」を設定することが大事です。
例えば、「健康になるためにダイエットをする」ならば目標として設定すべきは、
・ダイエットをして血液の健康(コレステロール値等)を適正範囲にする
・ダイエットをして良質の睡眠が取れるようにする
・ダイエットをして病気にならない体を手に入れる
こうした具体的目標を設定すれば「健康になる」という目的の具体的なありさまも、健康という目的そのものも明確になってきます。
目標を明確化すると手段が具体化する
「健康になる」ための具体的目標が出れば、それに応じてより具体的な「達成手段」が見えてきます。
例えば、
・基礎代謝系の〇〇ダイエットで血液の健康を保つ
・ストレッチ系の〇〇ダイエットにて睡眠に良い結果をもたらす
・免疫力強化の〇〇ダイエットで病気をしない
といった「手段の具体化」です。
「健康になる」という目的1つでも、その明確な目標を立てて、そこから「手段が具体化」すると、かなりすっきりしてきます。
結果的に目的を見失うリスクも少なくなりますし、手段から目標、そして目的までの道筋がはっきりします。
FIREに当てはめた目的と目標
FIREの場合、「自由を得る」いうことを目的として仮に定めると、目標設定の例は、
・FIREによって1日5時間は自分の趣味に時間をかける
・FIREによって1年以内に新しい趣味を3つ始める
・FIREによって1か月間の世界一周旅行をする
となります。
こうしたFIREの目的(自由を得る)をどうやって達成するか、目標を具体化すればよりリアリティーがでてきます。
なお、FIREの目標として「達成年月や貯蓄額」を設定することもあります。
こうした目標を持つことも大事ですし、貯蓄額を増やして目標に近づきながら「本当の目的って何だっけ?」と考えても構いません。
大事なことは、目的はそんな簡単に明確にできないものだと覚悟して、絶えず「目的、目標、手段」をしっかり意識しながら目的を考え続けることだと思います。
FIREという手段の具体化・最適化がされる
なお、目標を具体化(数字であったり計測可能な達成方法)すると、「FIREという手段も最適化」が進みます。
先ほどの例の「日中の5時間は自由な時間を持てるFIRE」をするならば「1日3時間勤務のセミリタイアが最適な手段だ」となるかもしれません。
あるいは「1年以内に3つの趣味を始める」のなら「そもそもFIREしなくてもできるのでは?」と代替手段も思いつくかもしれません。
FIREまで待たずに趣味を開始しても構いません。
1か月の世界一周旅行も、「FIREを達成しセミリタイアで働くまで、先に世界一周旅行をしよう」といった具体的なプランになるはずです。
こうした具体化で、FIRE後の生活を最低限維持するためのFIRE資金だけでなく、きちんと必要な資金の使い道も洗い出せ、その適切な必要額も見えてきます。
目的の解像度が上がる
こうした深堀りをしていくと、目的が目標に変わることがあります。
例えば「田舎でのんびり自給自足生活をする」というライフスタイルの実現をFIREの目的としていても、途中、真の目的は「田舎でのんびり自給自足生活をする」というよりも「自然と共に穏やかな生き方をする」だ、と気がつくようなパターンです。
目標なり目的に向かって進んでいると、ふとそうした真の目的がわかってくることもあります。
すると、新たに、「目的=自然と共に穏やかな生き方をする」と定め直し、「目標=田舎でのんびり自給自足生活をする」というように、それまでの目的が目標に変わることもあります。
こうするとさまざまな手段が見えてきます。
穏やかに暮らす方法として「ペットを飼う」とか「心から信頼できる友やパートナーが必要だ」といった別の目標が生まれて、目的がより達成し易くなります。
大事なことは、こうした自分にとっての「正しい目的」を探し続ける「目的思考」や「目的意識」だと思っています。
そうして試行錯誤するうちに、幸福に直結する本質的な願望が明らかになったり、多様な手段が浮かび上がってきます。
終わりに
目的がないFIREは、たとえFIREを達成しても、時間や暇を持て余すだけに終わります。
あるいは「どうも違った」「こんなはずじゃなかった」といった行き違いがあるかもしれません。
目的は誰にも必ず存在するのに、それをしっかり見出していないか言語化していないだけです。
目的意識を持って日々を過ごすのは大事なことですネ!
あれ、今日も僕は「豚の貯金箱」に500円玉をいれ、豚が声を出して喜ぶが、僕の目的はなんだ?
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