【手取りを増やす】同居していない年金受給の母親を扶養に入れて30万円還付と手取りアップだったこと

2023-01-11

節税

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サラリーマン時代「手取りが増える方法がないか?」と調べ、実行した1つの方法が「同居していない年金受給中の母親を自分の税務上の扶養にいれる」ことでした。

扶養といえば、「配偶者や子供」といった範囲だけとか、「同居に限る」、「年金貰ってる親は無理だ」と誤解しがちです。

同居していない年金受給中の親でも一定の条件を満たせば自分の扶養に入れることができます。

これはサラリーマンだけではなく自営業も可能な方法です。

ケースによっては親の負担する健康保険の負担率も変わることもあり、個々の事情で有利・不利があるので、それを踏まえて判断することが大事です。

今回は、そんな「人は思い込みで損をしている」という例として、僕がやったこの方法を具体的に取り上げ、わかりにくい税金の仕組みも紐解きながらお話します。

年収の「額面」と「手取り」について

「額面」とは会社から自分に支払われる金額の合計のことです。給与明細では「支払総額」や「支給総額」、源泉徴収票では「支払金額」と記載されています。

「手取り」とは、自分が実際に受け取る金額です。一般的には額面の75~85%程度と言われています。

額面の給与から引かれるものは?

さて、この15~25%も額面年収から引かれるものとは「税金」と「社会保険料」です。

その項目は、

税金:所得税(※1)、住民税(特別徴収)

社会保険料:厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料(※2)、雇用保険料

※1 復興特別所得税を含む

※2 40歳になると発生

手取りの計算式とは、

(額面の年収)―(税金+社会保険料)=手取り年収

となります。

同じ年収でも手取りを増やす「控除」とは?

同じ年収でありながら手取りを増やすのが「控除」というものです。

控除としては、生命保険料控除、地震保険料控除など、サラリーマンなどは契約している保険を年末調整で控除申請をしていたり、誰もが知っている扶養控除も適用したりしているはずです。

こうした控除額を収入から引いた残りが「課税所得」となり、納税者の税金徴収額を計算するための「元となる数字」として使われます。

同じ年収でも課税所得を下げることができれば、徴収される税金も減り、手取りが増えることになります。

(総所得金額―所得控除)x税率=税額

(総所得金額―所得控除)=課税所得

となります。

所得控除額は扶養家族が増えると大きく変わる

扶養親族1人あたり38万円を所得から控除できるので、一般的な年収ならば1人扶養家族が増えれば住民税と合わせて7万円は節税になる(手取りが増える)ことになります。

扶養される親族が16歳以上18歳以下、23歳以上69歳以下の場合は38万円、特定扶養親族である19歳以上23歳未満の場合は63万円です。



この扶養控除が増えれば、所得税や住民税、社会保険料の支払いが軽減されるのです。

年金を受給中の別居の親も扶養にいれられる

さて、この扶養控除。

別居して年金生活中の親でも条件を満たしていれば扶養に入ることは可能です。

病気で入院している等で納税者と別居となり特定期間が過ぎていれば、そもそも同居扱いとなったりします。

別居であっても仕送りなどで経済的な援助をしている場合も「別居だが生計を一にしている」として条件に入ります。

親が年金を受給していても、問われるのは年金所得なので(受給額ではなく基礎年金控除等を引いたもの)、年金を貰っているからといって条件から外れるとは限りません。

また、老齢の親を扶養にいれたからといって別世帯・別居のままであれば、親の支払う介護保険料もあがりません。

ただ、扶養側に節税メリットがある一方、扶養に入ることで高額療養費制度の自己負担限度額や掛金が高くなる人もいます(納税者側の収入が基準ゆえ)。この辺りは個別に確認が必要です。

親を税制上の扶養に入れた場合の所得税の控除額は以下のとおりです。

親が70歳未満:38万円

親が70歳以上で同居している場合:58万円

親が70歳以上で離れて暮らしている場合:48万円

僕の実施した母親の税法上の扶養

僕の場合は、

親が70歳以上で離れて暮らしている場合:48万円」

に該当します。

僕が親を税制上の扶養に入れるには、親が次の条件をすべて満たしている必要がありました。

・納税者である子と生計を一にしている *定期的な仕送りも含む

・年間の合計所得金額が48万円以下(2019年分以前は38万円以下)

親に定期的に仕送りをして生計を支えていたので「生計を一にしている」とみなされます。

また、親は年金を受給していますが、年金受給額は年金控除があり、条件を満たしていました。

ちなみに、65歳以上の老人で受け取る年金額が158万円以下のときは、公的年金等控除額が110万円となっていますので、これを差し引くと所得金額は48万円以下となります。

手取りの増額は幾らだったか?

僕が親を経済的にサポートしていたのは、この節税方法ができることに気が付く数年前からでした。

そこで、親を扶養していた期間をさかのぼって数年分の修正確定申告をした結果、還付金(戻るお金)が30万円近くとなりました。

これは修正申告後、自分の口座に振り込まれました。

きちんと生計を一にするような扶養をしていることが大前提ですが、条件を満たせば、「今から」だけでなく「過去にさかのぼり」きちんと申告をして還付を受けることができます。

終わりに

今回、お話したいポイントは、「親の扶養」というと「あたかも同居していないとダメ」とか「どうせ年金をもらってるし、扶養できるはずがない」という先入観を疑うことが大事だという点です。

それを「批判的思考(クリティカルシンキング)」と言います。

案外、節税であったり起業のアイデアって、こうした批判的思考から生まれましたし、その結果「思考や知識が資産を作る」ということになります。

これは習慣として身に着けると大きな資産形成の武器になります。

今回の話題、どなたかの資産形成の役に立てればと思っています。

自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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