FIRE後に「暇な時間を持て余す」と言う人の一定数は「縛られ好き」が混ざっていると思います。
縛られ好きは仕事でもわかりやすい特徴があって、命令されることが嬉しかったり、細かく指示をされてもウザいと思わずに「やることがはっきりする」と喜んだりします。
つまり「自由に制限なくものごとを取り組む」よりも受動的に指示を受けてがんじがらめで仕事する非自由さも良いという「縛られ好き」です。
なお、そんな縛られ好きも指示を着実にこなすのは特技であって、能動的すぎて無駄なことまで手を出して周囲に余計な仕事を作らせる厄介人よりはるかに優秀です。
会社員生活の特性というのはFIRE後も変わらないもので、こうした「縛られ好き」はFIREの自由を持て余してしまうことが十分に有り得ます。
今日はそんな「縛られ好き」(↓)というタイプがFIREに不向きなことを綴ります。
縛られ好きの2つのタイプ
受動的に仕事をする人は2つのタイプがあります。
1つはそもそも考え方も行動習慣も受動的な「根っから受動派」です。
もう1つは本来は積極的ですが職場のルールや仕事の知識などに不慣れで受け身で対応する「様子見で受動派」です。
後者の人に出会ったのはある「できる奴」と評判の人材が転勤してきた時です。
できるのにいつまでたっても頭角を現さず気に掛けて聞いてみると「最初の3週間は概況を把握し、最初の3か月は意見があっても主張を我慢しますが、その後は自由にやります」といった考え方だったりします。
要は生半可な理解や知識で意見したくない慎重派なだけで根は積極的だったりします。
その意味ではFIREの自由を持て余してしまうのは前者の「根っからの受動派」で、やはりFIRE後に「自分の好きなように生きろ」となっても瞬発力ある対応は出来ないわけです。
縛られ好きのFIRE後の副作用
そんな「縛られ好き」は、やはり仕事での指示を受けることで自分の存在価値を確認するところがあって、こうした状態から抜け出てしまうと、それがリタイアであれFIREであれ自分の「居場所」を失い「ルーティンや目標」が欠如しアインデンティティロスとなることがあります。
その結果、孤独感や生きがいの喪失という状態に陥るわけです。
それだけ「仕事」であり「指示」に依存していた証でもあるわけです。
また、長年の会社人生で自分に与えられる指示や命令に向き合うことで自分の好きなことを追いかけることを放棄してきた結果、「自分が好きなことは何か?」といった他人に答えられない問いについて、自ら解答を出せなくなっていたりします。
自分が何に感動し、何を好きだと感じるのか、そんな感性から治癒させなければいけない状態になっているわけです。
縛られ好きの処方箋
そんな「縛られ好き」の処方箋として、僕は3つほど考えがあります。
それは①小さな好奇心を育てる、②子供の頃の関心事を再体験する、③好奇心を刺激する習慣行動を持つ、です。
小さな好奇心を育てる
日々の生活のなかでのちょっとした疑問や関心事について、ネットで調べたり深堀するといった方法があります。
例えば僕の場合、映画を観るとそのストーリの解釈をレビューでみて見解を比較したり、映画監督のメッセージを深く考えたり、あるいは映像として登場した撮影場所について調べたり旅行に行ったりします。
小さな疑問や関心や感動などを大切にしていくことは結構有意義な好奇心の育て方です。
子供の頃の関心事を再体験する
子供の頃は何事にも好奇心を持ったものです。
僕も小学生の頃に興味のあったものごとを振り返って、改めて書籍を読んだり、当時と今の進化について調べたりします。
そんな行動をすると、子供の頃の感情も蘇ってきてどこか元気になったりします。
好奇心を刺激する習慣行動を持つ
好奇心というのは自発的に湧いてくるとも限りません。
僕は外部からの刺激をあえて取り込んだりもします。
その1つで時々やっているのが、図書館にいって、無作為に1冊を選び、それを最低でも最初の数10ページほど読んでみることです。
ネット検索では自分のログインされたIDに検索キーワードが紐づくので、そうした検索ワードに関連する情報だけが表示されるという偏りがあります。
ですが図書館で「3列目の右側の手前から2つ目の棚の上から二段目の左から5つ目の本」なんて決めて臨むと、自分の好みジャンルとは関係のない本に出くわします。
まあそれを偏見なく読んでみると、わりと面白そうと思うことに出くわすものです。
終わりに
FIREの向き不向きはあるとしても、いずれにしろリタイアなりアーリーリタイアなり、仕事のない自由な時間がやってきます。
そんな自由をDay1から持て余すのは勿体ないわけで、僕が記述した処方箋にしても会社員をやりながらもできることなので、リタイアやFIREを待たずに実践することも特に「縛られ好きだ」と自認する人には効果があると思います。
好奇心に関しても受動的に「好きなものが見つかるまで待つ」とするのではなく、能動的に取り組んでみることが最初の行動変化として必要で、そんな行動一つで縛られていた繩は簡単にほどける気もします。
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