完全リタイア生活を始めて1年が経つと、会社に戻ることへの心理的なバリアを強く感じるようになりました。
そのバリアとは、サラリーマン生活と完全リタイア生活を隔てる「行動規準の違い」です。
今日は、この正反対とも言える行動規準について綴ってみます。
完全リタイア生活での行動規準
完全リタイア後は、一貫して「自由」を大切にしてきました。
自由といっても、解放感に浸り、好き放題に堕落した生活をしているわけではありません。
ここで言う自由とは、「自分らしさ」であり、「自然体で生きる」、「ありのままに生きる」という感覚です。
その結果、サラリーマン時代とは心理状態が大きく変わりました。
サラリーマン時代の行動規準
会社員時代は、「仕事の目標を達成するために、常に背伸びしている自分」でいました。
なぜなら、会社は「簡単に達成できる目標」など設定してくれないからです。
社員に目一杯ジャンプさせ、自分の限界を超えさせようとする意図のもと、「どう見てもきつい」高さの目標を課してきます。
だからこそ、目標を無視して「自然体で生きる」なんてスタンスを取ろうものなら、すぐに「手を抜いている」と評価されてしまうでしょう。
完全リタイア後に感じている「ありのまま」という感覚とは、まさに真逆の世界観だったのです。
背伸びすべきか自然体であるべきか?
ここで湧き上がる疑問は、「生きるうえで背伸びすることが正しいのか?それとも自然体でいることが正しいのか?」ということです。
僕は、2つの世界を経験したからこそ、それぞれのメリットとデメリットを理解しています。
そして今思うのは、「どちらが正解か」という話ではなく、それを超えた「人間の摂理」を知ることが大事だということです。
背伸びをするメリットとデメリット
会社生活を通じての「背伸び」は、必ずしも悪いことではありません。
学生時代から偏差値という基準で背伸びをして志望校を目指し、社会に出てからも、スキルや知識を高めるために背伸びを重ねました。
そこから得られるものが「成長」であり、「自信」となります。
チャレンジなしでは、自信もつかず、自分の向き不向きも、能力の限界も見えてきません。
本当の自分を探るためにも、背伸びは必要な経験であり、社会生活に不可欠なものだと感じます。
そして、背伸びを通じて自分の適性や限界がわかると、次第に「無理をせず、自分らしく生きたい」という欲求が湧いてきます。
もし、そのタイミングで金融資産も同じスピードで育っていれば、自然に湧き上がる「自分らしく生きる」という思いを、経済的にも実現できるのです。
経済的自由を得て「自然体」で働けた幸運
サラリーマン人生も後半になると、多くの人が「自分らしくない生き方」が辛くなっていきます。
だからこそ、開き直って自然体で過ごす人も増えてくるのでしょう。
本来、給与に見合った働きをしているなら、背伸びをしない会社員ももっと認められるべきだと感じます。
僕はたまたま40代後半で「経済的自由」を達成しました。それでも働いていたので、心のどこかで「ダメなら辞めればいい」と思える余裕がありました。
だからこそ、リタイアする50代半ばまで「自分らしい仕事」を続けら、非常に幸運だったと思います。
経済的・精神的な自由を得て、自分のペースで「背伸び」ができたのです。
終わりに
サラリーマン時代、「背伸びをしろ」というプレッシャーは、これが永遠に続くかのような重圧となって日々のしかかってきました。
でも、必ず出口はあります。
そして一度その通路を抜けたら、心理的にはもう逆戻りはできないものです。
いま、背伸びで辛い思いをしているサラリーマンの方に、無責任に「頑張れ」とは言いません。
ただ、「背伸びをするのも今だけ」、「出口を超えたら、戻るのは難しい」という構造を知って、少しでも自分らしい時間を持ちながら歩んでほしいと、お伝えしたいのです。
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